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“踊りたくなる九州をつくる”【九州地域間連携推進株式会社 代表取締役 田鹿倫基さまインタビュー】

“踊りたくなる九州をつくる”【九州地域間連携推進株式会社 代表取締役 田鹿倫基さまインタビュー】

【踊る】―音楽に合わせて、手足・体を動かしてリズムにあった動作をする。驚き・緊張・喜び・希望などで動悸が激しく打つ。どきどきする。わくわくする。そんな気持ちで仕事に向き合えたら、面白いと思いませんか?

今回ご紹介する九州地域間連携推進機構株式会社は、“踊りたくなる九州をつくる”をミッションに掲げ、九州を舞台に人や地域の支援を行なっています。「移住ドラフト会議」や「踊りたくなる九州卒業論文コンテスト(オドロン)」など独創的な自主事業をはじめ、自治体や企業のあらゆる問題解決に取り組む、代表取締役 田鹿倫基氏にお話を伺いました。

【代表取締役 田鹿倫基氏プロフィール】

1984年生まれ。宮崎大学を卒業後、リクルート、上海の広告会社の勤務を経て、2013年に日南市マーケティング専門官として着任。2020年7月に九州地域間連携推進機構株式会社を設立。

 

≪移住という選択を楽しむための「移住ドラフト会議」≫

―まず、九州地域間連携推進機構株式会社(以下NPB)の設立の背景を教えてください。

 

田鹿倫基氏(以下敬称略):

2016年に鹿児島でスタートした「移住ドラフト会議」という取り組みがあります。「移住ドラフト会議」は、移住者を受け入れたい地域を球団、移住希望者を選手に見立て、地域が移住希望者を会議の場で指名するという、プロ野球のドラフト会議スタイルで行う移住のマッチングイベントです。

 

当時、僕は日南市のマーケティング専門官として地域活性化の仕事をしていたのですが、このアイディアには「やられた!」と思いましたね。移住について取り組んでいたし、野球も大好きなのに…。すぐに主催者と連絡を取って「移住ドラフト会議」をお手伝いするようになりました。

 

回を重ねるごとに「移住ドラフト会議」に参加する地域も増えてきたため、本格的なプロジェクトとして運営していくために2020年7月にNPBを立ち上げました。

―「移住ドラフト会議」、とても興味深い取り組みです。参加地域が名乗る球団名なども本格的ですね。

 

田鹿:

行政が主催する移住イベントは、イベントスペースにブースを出して、ブースを訪れた人に地域をPRして…というやり取りで終わるパターンが少なくありません。「誰でもいいから来て欲しい」ではなく、「あなたがいい」というドラフト会議スタイルなら、地域と移住希望者の双方の相互理解も深まりますよね。「移住ドラフト会議」は、野球のドラフト会議の体を借りた、壮大なコントなんです(笑)。指名されても、絶対に移住しなければならないというわけではありません。まずは地域と関係を持ちたいという方に、気軽に参加していただけたら嬉しいです。移住というのは大きな決断ですよね。そこに至るまでの過程も、楽しんで欲しいと思っています。


≪卒業論文は宝の山!2022年からスタートした「オドロン」≫

―NPBの事業について教えてください。

 

田鹿:

自主事業としては、「九州移住ドラフト会議」と「踊りたくなる九州卒業論文コンテスト(以下オドロン)」のふたつです。「オドロン」とは、およそ5年以内に大学・短大・専門学校を卒業した方が書いた、卒業論文を発表する場です。テーマは、九州の地域やまちづくり、“踊りたくなる九州”につながるものならなんでもOK。

 

NPBのメンバーは、まちづくりの研究をしている学生さんの卒業論文の対象になる機会が多いんです。学生さんの着眼点や発想力ってすごく面白くて、そんな学生さんたちが本気で書いた卒業論文って、もしかするとアイデアの宝庫なのでは?と思い立ったのが「オドロン」のきっかけです。

 

2022年に鹿児島で「オドロン」の第1回目を開催しました。実際に集まった論文は興味深いものばかりで、若い世代とまちづくりの担当者、企業、自治体をつなぐきっかけの場になりました。現場で応用できるアイデアもあり、早速取り組みをスタートしたというお話も聞いています。

 

そのほか受託事業として、九州各地の自治体からリサーチ業務や移住支援、企業から採用支援などのご相談をいただくこともあります。

 

≪専業禁止!個性豊かな兼業メンバーで仕事をもっと面白く≫

―幅広い事業内容ですね。NPBでは、どんな人が働いているのでしょうか?

 

田鹿:

NPBのメンバーは現在20名ほどで、九州各地に居住しています。NPBの唯一と言っていいほどの就業規則は「専業禁止」。つまり、メンバー全員が「兼業」なのです。スナックで働いていたり、ラッパーとして活動していたり、さまざまな仕事をしています。

 

「専業禁止」の強みは、色々な知識や経験を持つメンバーが集まること、NPB以外の各方面につながりができることです。NPBでは受託事業が多く、自治体や企業からさまざまな問題解決を求められます。その都度チームを編成して仕事に臨むのですが、メンバーの仕事の幅は問題解決の幅にもつながると思っていて。兼業という別の世界の知見を、NPBでも発揮してもらっているのです。

 

ーNPBのメンバーは個性豊かですね!代表として、さまざまな背景を持つメンバーをまとめる秘訣や、意識していることはありますか?

 

田鹿:

メンバーを迎え入れるときや、プロジェクトにアサインするとき、相手の特技や相性のいい仕事はなんだろう?ということは徹底的に考えています。

 

NPBではメンバー募集をかけつつ、最終的には僕が直接「働いて欲しい」と口説きに行くこともあります。自分が会社勤めをしていた経験から、面接時と実際に現場で働いた時のギャップは少なからずあると思っていて…。僕が働いて欲しいと思ってスカウトしたら、それは僕の責任。自責を持って相手と向き合うことを意識しています。

 


≪まちづくりは“踊り”!“踊り”の輪をもっと広げるために≫

―NPBのミッションである“踊りたくなる九州をつくる”には、どんな思いが込められているのでしょうか?

 

田鹿:

長い間、地域活性化に携わる中で気づいたことがあります。問題解決も重要な仕事ですが、それと同じくらい「自分たちが楽しいかどうか」も大事にしたいということです。まちづくりのために個人のキャリアを犠牲にするのではなく、どんな方向に進もうとも、個人のポテンシャルが開花されるような社会をつくっていきたい…九州がそんな場所で溢れたらいいなという思いを込めました。

 

さまざまな仕事に取り組んでいますが、会社として明確にチャレンジしていきたい目標というのはないんです。ただ、NPBに関わってくれた人や地域が、踊りたくなる「舞台」になると嬉しいですね。NPBが存在し続けることで、九州が豊かになればいいなと思っています。

 

 

≪さまざまなライフスタイルにマッチするCREATIVE ROOM≫

―NPBは福岡県からの受託で、サテライトオフィス等開設支援事業のPRも担当されており、CREATIVE ROOMの立ち上げにも携わったと伺いました。CREATIVE ROOMの企業誘致で工夫したポイントを教えてください。

田鹿:

工夫したポイントは、「福岡市✖︎子育て世代」に興味を持ってくれる企業はどういうところかを考えながらアプローチをかけたことです。CREATIVE ROOMはアクセスが良く費用的なネックもないので、CREATIVE ROOMの魅力を知っていただけたら、企業誘致につながると思っていました。

―立ち上げに携わって感じたCREATIVE ROOMの活用方法などがあったら教えてください。

田鹿:

CREATIVE ROOMに子どもを預けて働く人の視点で考えると、CREATIVE ROOMの特徴である託児はとてもありがたい一方で、初めのうちは目の前で保育士さんに子どもを預けて仕事をすることに葛藤がある人もいるのでは?と感じました。そんな方は、託児のみ利用して、他のコワーキングスペースで仕事をするというやり方もできそうですよね。

託児やコワーキングスペースを活用している東京在住の方と話していたら「子どもを預けて働くことに、もう後ろめたさは感じない」と仰っていたので、人それぞれの部分や、慣れもありそうですね。今は過渡期なのかなと思いました。

企業視点で考えると、CREATIVE ROOMに集まる子育て世代に依頼して、ヒアリングやグループインタビューができそうですよね。働く人と企業、どちらにもメリットがある場所だと感じます。

―CREATIVE ROOMとサテライトオフィス契約を結んだ理由を教えてください。

 

田鹿:

元々は、ほかの場所にオフィスがあったのですが、福岡在住のメンバーのライフスタイルの変化を見越したとき、託児付きコワーキングスペースというのはすごく魅力的でした。

僕も福岡の出張時に利用していますが、ワークスペースのサイズ感がちょうどいいですね。子どもたちを連れて福岡に旅行する機会があったら、旅行の合間に仕事するなど、さまざまな可能性がある場所だと思います。

 

≪“踊る”ことは、本能であり、挑戦なのかもしれない≫

今ではすっかり聞き慣れてしまった「地方創生」という言葉。しかしその実態は、地域が歩んだ歴史や独自の要因によって複雑化しています。それらを紐解き、地域や人と協業して解決へと導き、永く伴走することを、田鹿さんは“踊る”と表現しました。

“踊る”―リズムにあった動作をすることも、どきどきすることも、わくわくすることも、実は簡単ではありません。挑戦を続けるNPBの事業を知ることは、九州を楽しく生きるヒントになりそうです。

illust
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